2.4. Sendlnについての説明

今回も、シンプルなマクロを使って説明していきます。

cisco_login_macro

前回はwaitについて説明しました。

waitは”(シングルクオーテーション)で囲まれた部分の文字列を待つ命令でしたね。

今回は「sendln」について解説してみましょう。

ログインマクロではsendlnは11行目、13行目、15行目の3回使われている事がわかります。

waitの時は、”(シングルクオーテーション)で囲まれた部分の文字列を待つ、命令でした。

 

対して、sendlnのときはどうでしょうか。

waitと同じように考えてみると、それぞれ’cisco’、’en’、’cisco’という文字列をsendlnしていることがわかります。

もう察しがついていると思いますが、sendlnは”で囲まれた部分の文字列をタイプしてEnterする、という命令を実行してくれるのです。

 

ここで、一度マクロの事は忘れて、自分で手打ちしたときのログイン手順を思い出してみてください。

  1. ルータにtelnetする
  2. ルータにログインパスワードを投入する
  3. enと打って、enableモードに移行する
  4. enableパスワードを打って、enableモードに移行完了する

このような手順で、ログイン〜enableモードに移行していると思います。

 

Teratermの扱いに慣れている人に説明する場合はこの手順でいいですが、例えば母親にTeratermを触ってもらうというシチュエーションになったらどうでしょうか?もっと分解して記載する必要があります。

 

試しに先の4手順を分解してみましょう。

  1. IPアドレスを投入してOKボタンを押し、telnet接続する(ここは一部省略)
  2. 画面にPassword:と表示されるのを待つ
  3. 画面にPassword:と表示される
  4. 画面にPassword:と表示されたのを目視確認する
  5. ログインパスワードをタイプする
  6. パスワードをタイプし終わったらEnterを押す
  7. 画面にログインできたことを示す『>』のプロンプトが表示されるのを待つ
  8. ログインできたことを示す『>』のプロンプトが表示される
  9. 『>』が表示されたのを目視確認する
  10. enableモードに移行するため『en』とタイプする
  11. enableモード移行のためのPassword:が表示されるのを待つ
  12. enableモード移行のためのPassword:が表示される
  13. enableパスワードをタイプする
  14. パスワードをタイプし終わったらEnterを押す

なんと、14手順に分解することができました。

 

そして、もうお気づきかもしれません。

 

Teratermマクロに言い換えてあげると、

・telnetする=>connect
・タイプしEnterを押す=>sendln
・表示されるのを待つ=>wait

ということがわかると思います。

 

この分解がTeratermマクロの基本であり、文法なのです。分解されたそれぞれの指示を、「connect」や「wait」が実行しているにすぎません。

 

マクロの基本は、やりたい事の手順を考え、分解し、それぞれの手順に対する命令をTeratermに用意された命令文を使って記述していくということになります。

 

今回わかったことは、

・手順を詳細に分解すると、マクロの基礎が出来上がる
・手順を詳細に分解したものをTeratermマクロの命令文に置き換えるとマクロになる

ということです。

 

これで、マクロをざっくりと読めるようになり、処理についてもざっくりとわかるようになったと思います。

次回からは、Teratermに用意されている命令文の基本と、少し複雑な処理について見ていきましょう。

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